IoTユースケース③ ー 「最適化の対価」と「プライシングサイエンス」

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こんにちは、ビープラッツの石毛です。

2017年もあっという間に9月になりました。
残すところ今年は4ヶ月です。
今年初めに「2017年はこれをやりきろう!」と誓った目標、皆さまは覚えてますでしょうか?
(私の目標は腹筋を割ることでしたが、いまのところどこにも見当たりません。)

さて、本日は私たちが日頃お伝えしている、IoTサービスで設定すべき価格の考え方と、先日プレス発表しました「プライシングサイエンス」についてご紹介したいと思います。

IoTのメリット:「最適化」

まず前提の話として、IoTサービスがもたらすメリットについて考察します。IoTサービスが注目される経済的な理由の1つが、事業を運営するためのリソース(ヒト、エネルギー、設備、移動手段など)が「最適化」されることです。

至る所にセンサーを設置し、ネットワークを通じてデータを集め、可視化された現状の分析を行い、より良いリソースの配置を行う。
これが、わざわざお金をかけてIoTサービスを導入する理由であり、享受できる最大の価値です。

最適化の工程をざっくり2分割すると
 ①データを収集し、見える化する
 ②リソースを効率的に配置する となります。

例えば・・・

■ 工場×IoT
①各機械にセンサーを設置するなど設備の稼働状況を把握する。同時にエネルギー利用量や、ヒトの労働状況も把握する。
②機械の稼働状況や異常検知を監視することで、ダウンタイムを減少させる。不必要なエネルギー、ヒトの動きを減らし、適切に配置する。

■ スマートメーター×IoT
①各家庭の電力/ガス/水道使用状況をデジタルデータに置き換えて、見える化をする。
②月に一度のヒトによる検針が、遠隔からデータを把握することで、検針の必要がなくなる。ヒトによって行われたインフラ使用のon/offも、通信機能を用いて遠隔で実現する。
 
■ ごみ収集×IoT
①ごみ箱にセンサーを設置、堆積率を常に把握する。
②計測データを元に最も効率的な収集ルートを分析し、より限られたコスト(収集回数、収集車の数、ヒトの数)でごみ収集を実施する。

ここに挙げた3つの例は極端に平たい表現で、実際に実現可能かどうかについては別の議論です。ただ本質的にはIoTサービスの多くが、必要以上にかかっていたコストの削減を目指す「最適化」を目的として実証されていくことは間違いありません。

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最適化の対価

ではこれらIoTサービスを販売する時、サービスによる最適化の対価=価格はどのように決めるべきでしょうか。私たちが日頃お伝えしている1つの答えは、「サービスの利用者が、どのような価値を得られるのか」を根拠に価格を決定すべきということです。

先に挙げた工場やスマートメーターのIoTサービスを実現するためには、少なくとも①センサーデバイス、②クラウド、③通信を材料とします。即ちIoTサービスの原価は、①デバイスの個数×単価、②クラウド、通信の利用量に基づく価格の2種類です。(これだけでも複雑ですが。。)

これらを販売するサービスの価格として決定する時、従来のSI事業などの仕入/販売の考え方では、IoTを構成するデバイスやクラウド/通信システムの取得コストや運営コストを元とすることが一般的でした。

ただ、IoTの利用者がお金を支払うのは、自分たちの業務やコストが「最適化」されるからです。最適化の中身は「IoTサービスの原価(デバイスなど)」ではなく、どれだけ「収益改善効果が得られたか」です。実際に値付けを行う際には、その改善効果を正しい指標に置き換えて、価格を設定する必要があります。

先の例で言えば、工場ではIoTサービスの導入により工場の生産効率が上がること、機械の稼働を減らせる台数、人件費の削減、消費エネルギーの削減がIoTサービスの提供価値です。「削減コスト」が「センサーの数」×「稼働時間」に比例するのであれば、その従量課金テーブルを予め設定することで、異なるサービス利用者にも同じ対価を求めることが出来ます。
同様にスマートメーターでは「検針にかかった人的コスト」が「メーターの台数」×「利用月数」に応じて減少する、ごみ収集では「ゴミ収集ルート効率化によるメリット」が「スマートごみ箱の設置台数」×「ゴミの量」に応じて大きくなるといった具合に、IoTサービスの実現による「コスト削減」「メリット」には構成要素となる指標が必ず存在するはずです。それぞれの指標に価格を設定して(例えばメーター1台200円/月、1円/h)、従量価格体系を実現することが、IoTサービスでは求められるべきです。

極端に言えば、たとえ原価が100円/月でも、サービスによる提供価値が大きいのなら、10,000円/月の値付けをしてもいいかもしれません。

価格を科学する

これら実際に減少できたコストに加えて、無数のセンサーから吸い上げられた膨大なデータが、どれだけ利用事業者の価値に影響したか、どれだけ利用に貢献できているかを示すこともIoT事業の価値提案において重要なポイントです。

先日私たちビープラッツは「プライシングサイエンス」に関する発表をしました。

▽「プライシングサイエンス」を提唱、産学協同研究を開始
IoTやFintech時代における、合理的な料金化ルールや収益モデルを提言

「プライシングサイエンス」、直訳すると「価格の科学」です。ビープラッツの世界観に基づいて新しい言葉を提唱しましたが、柔らかく言うと、「IoTサービスにおける適切な販売価格を考えること」を目指すものです。

例えばタクシー料金は一般的に「初乗り料金+(距離×単価)」です。それが東京都なら、初乗り「410円+237m毎に90円」がサービス料金です。価格根拠の詳しい説明は他に譲りますが、ポイントは「この価格で売れば、適切な収益を得ることができる」ということになるでしょう。これをIoTサービスに置き換えた時、適切な収益を得るための価格表を発見していくことがプライシングサイエンスの目的です。

ビープラッツはこれまで、クラウドや通信など様々な従量データを課金に換えるマネタイズをお手伝いしてきました。IoT事業でもそのマネタイズプラットフォーム精神は変わりません。プライシングサイエンスという学術的な知見をプラスして、皆さまのIoT事業をご支援する力をより強くしたいと考えています。ご興味お持ちいただいた方、ぜひ私たちと一緒にIoTサービスを始めてみませんか。

以  上

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